両親、そして姉。

気づいた時は4人の家族だった。

何の問題もなく、
もちろん争いもなく、
家族から愛され、
幸せな家庭の中で生まれ育った。

小さな時から色が白かった。
きっと父親に似たからなのだろう。

小さな時から口数が少なかった。
きっと母親に似たからなのだろう。

幼稚園に入園する。
子供ながら最初の大きなイベントだった。
窓越しにいた母が見えなくなった時、

泣いた。

ブランコをおぼえた。
毎日毎日、一生懸命漕いだ。

風を感じた。(多分)

思いっきり飛んだ。
ブランコから大きく離れた。

きっとスピードもなく、高さもなかっただろう。
だけど、あの時は宙を浮いた感覚だった。

「やった!」とばかりに立っていると、
遠くになっているはずのブランコが戻ってきて・・・

後頭部を直撃。
気がついた時は頭から血を流していた。

おかしい・・・

ブランコから10メートル、

いや20メートル位は飛んだ気分だったのに・・・

あの頃からどこかぬけているところがあった。

今もそう・・・

幼稚園では、みんなが楽しみにしている昼寝の時間があった。
だけど俺は、寝ていた記憶があまりない。
相棒とじゃれあう。

すると叱られ、部屋から追い出されて廊下に布団を敷く。
その後も懲りずにずっと話をしていて、

また叱られる。

松井先生、今頃どうしているだろう。
そんなことを繰り返し、2年保育の園児時代も幕を閉じた・・・